ブックトーク 雪の中の不思議

8、雪の中の不思議
一面、どこにいるのかわからないほどの雪の中に立つと、
方角もわからなくなるし、意識もわからなくなっていきそうです。
そんなとき、人間は雪を降らす、不思議な霊力を感じるのでしょうか。

「かまくらかまくらゆきのいえ」
あまんきみこ・作　黒井　健・絵
ひくまの出版
大好きなうさぎのぬいぐるみミミコをもって、そりで遊んでいた兄弟が、道に迷ってしまいました。
その時、雪の中からミミコ出てきて、たくさんのウサギと作ったかまくらに案内してくれます。ウサギたちに囲まれて、二人はすやすや。

「雪渡り」
宮沢賢治・　作　　　たかしたかこ　・え　　　偕成社

シミ雪、カタ雪。
一面かちかちの雪の原になって、道も田んぼも見分けがつかなくなる世界。
道筋が解ればいいのですが、いつの間にか迷って、
不思議な世界にさまよいこんでしまう。
山形生まれの夫も、盛んにショートカットして、通学していたようです。
温暖な瀬戸内育ちの私には、到底考えが及びません。が、
夏に確かプールがあったはずのところが、
冬に行くと一面雪の原のスキー場になっていたりして～

宮沢賢治作品集はたくさん出版されています。
大人の絵本　　日本の童話名作選シリーズ　宮沢賢治　　を選んでみました。

「水仙月の四日」
宮沢賢治・作　　　黒井　健・絵
ミキハウス

同じく、宮沢賢治の作品。黒井健さんの透明感あふれるタッチと
りんとしたゆきわらしの雰囲気が、幻想的です。

「かさじぞう」
瀬田貞二　再話　赤羽末吉　画
福音館書店
いまだに学校の教科書に登用されている、昔話の名作。
雪の中を歩くお地蔵さんがいいですよね・
瀬田貞二さんと赤羽末吉さんのコンビの作品。

松谷みよ子むかしむかし「かさじぞう」
松谷みよ子・黒井　健　童心社

松谷みよ子さんの昔話に黒井健さんの絵という、2000年版の作品です。